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お尻が丸見え...ベント問題



皆さんこんにちは、南青山のオーダースーツ店 Drapper Hopeブログをいつもご覧いただき、ありがとうございます。





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今回は、リール動画で説明している、お尻が見えてしまっているベント問題について説明をしていこうと思います。

※リール動画を見ていない方は是非、見てみて下さい。

           ⇩



電車の中や、街を歩いていると気になるスーツのベントですが、そもそもベントって何?と思う方もいるかと思います。



ベントとは...?



スーツの裾部分に入る切れ目の事です。


・背中心から1本切れ込みが入っている「センターベント」


・両脇に1本ずつ、計2本切れ込みが入る「サイドベンツ」


・全く切れ込みが入っていない「ノーベント」


・切れ目にフックが付いている「フックベント」


ベントには4つの種類があり、それぞれスーツの形によって使い分けをしていきます。




「センターベント」

昔は、貴族の嗜みである乗馬服(今で言うスーツ)で乗馬、下馬がしやすいように出来たとされています。





「サイドベンツ」

軍服が帯刀した際に、綺麗に刀が収まるように、引っかからないように出来たとされています。1本の切れ込みの単数形のVentを用いた「ベント」と呼ばれ、両脇から2本の切れ込みが入る為、複数形のVent`sを用いて「ベンツ」と呼ばれています。





「ノーベント」

その名前の通り、裾に切れ込みが入っていない仕様になっています。

切れ込みが無いので、センターベントやサイドベンツに比べて動きににくくなっています。

ノーベントは基本的に「タキシード」などのフォーマルな場面のスーツに採用されます。





「フックベント」

センターベントと同じ背中心から1本切れ込みが入るベントですが、よく見ると切り込みが入る部分がL字、カギ型(フック)に曲がって入っています。

アイビー調のスーツやジャケット、ブレザーに多くみられる仕様です。



※ブレザーのリールやブログも是非、見てみてください。

           ⇩



ベントにはそれぞれ特色があり、着用するスーツの形に合わせて仕立てると、雰囲気が良く、纏まりのあるスーツになります。



例えば



ビジネスシーンで着用する場合は、「センターベント」か「サイドベンツ」




ダブルのスーツの場合は、「サイドベンツ」




タキシードや礼服の場合は「ノーベント」




ブレザーなどのアイビールックを好む方には「フックベント」をお勧めしています。




これは、例えになりますので、絶対にこれと言う訳ではありません。中にはブレザーにもサイドベンツにする場合もありますので、何を仕立てるのか、どんな起源があるのかを仕立てる際に相談すると良いと思います。





では、題名にある「お尻が丸見え」とは、どういう事なのかを説明していきます。




「お尻が丸見え」とはベントが開いてしまっていてお尻が見えてしまっている事です。





ベントが開いてしまっている事はジャケットのサイズが合っていないと言えます。





ジャケットの蹴廻し(ケマワシ)、上着の裾まわり全体の寸法が合っていないとベントが開きます。





ウエストとヒップの差寸が大きい人は、スリムでタイトなジャケットを着用すると、上着のバスト、ウエストが細いので蹴回しも同様に細く、タイトに仕上がってしまいます。





上着には蹴廻し補正と言われる、上着の裾のみを広げる補正が存在します。





ただ、タイトな物にその補正を入れただけでは、全体のバランスが悪くなり、見栄えはあまり良くないと思っています。





私は、バスト、ウエスト、蹴廻し寸法はなだらかな線で繋げるから、綺麗でスリムなジャケットが仕上がると考えます。





Drapper Hopeには、着用サンプル(ゲージ)があります。お客様に着用してもらい、バスト、ウエストのゆとり(動きやすさ)があるのか確認します。





充分なゆとりがあれば次に蹴廻しを見て、ベント(ベンツ)が開いていないか、確認していきます。





私がいつも注意している部分は、ベント(ベンツ)が開いているかだけではなく、横からのシルエットです。




横からのシルエットを確認する理由は、ベント部分がお尻に乗っていないかを確認する為です。

※分かりやすく写真も載せておきます。




(蹴廻し寸法が足りてなくベント(ベンツ)が開いている場合)





(出尻、反身体型でベント(ベンツ)部分が乗っている場合)



この2つの要因でベント(ベンツ)が開いていないか確認して、それにあった補正を入れていく事で、スリムで綺麗なシルエットのジャケットが仕上がります。






逆に、蹴廻し寸法がありすぎるとジャケットが野暮ったく、重たく見えてしまいますので、全体のバランス、体型、シルエットには注意してみてください。





スーツ姿は、正面をずっと見る事は少なく、後ろ姿を見る事の方が多いと思います。

ベント(ベンツ)が開いている後ろ姿は、みっともないと感じます。





自分から見えない所にも気を遣える方は、とても魅力的でカッコいいと思います。





かつてのエリザベス女王は、ハーディー・エイミス卿という方の質問に対して「自分は不特定多数の人から注視されている、だから私は目立つ服より上品で綺麗な服を着なければならないと」と答えています。

※こちらも以前リール動画で説明しているので見てみて下さい。

           ⇩




私達も色んな場所で、色んな人達の目に写っています。

みっともないと思われるより、お洒落でカッコいいなと思われた方が得だと思いませんか?





分からないことも多いと思いますが、いつでもお気軽にご連絡、お声掛けくださいませ。

少しでも皆様のお力になれるよう頑張ります。




皆様からのご連絡楽しみにお待ちしております!





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