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一度は着てみたいタキシードについて…



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今回、リール動画で上がっているタキシードについて説明していきます。

※動画も是非、チェックしてみてください!

                 



結婚式やパーティーなどでタキシード姿の方を見たことありますか?

タキシードは、どんな目的で着用されてきたのか。その起源なども含めて話していきたいと思います。 19世紀後半、タキシードの原型となるスモーキングジャケットがイギリスで誕生します。


それまでの18世紀〜19世紀初頭くらいまで、食事の席では燕尾服というものを着用していました。



↑洒落者で知られ、テールコート(燕尾服)の着こなしを考案、流行させた男 ボー・ブランメル




燕尾服を着て食事を終えると、男性のみの談笑会があったそうです。

そこでは、お酒を飲みながら葉巻を吸い、自慢話に花を咲かせていたようです。


この話は、服装は世界的に有名な映画「タイタニック」でも観ることが出来ます。





主人公のジャック(レオナルド・デカプリオ)は裕福な生まれではなく、ポーカーによって運良く手に入れた乗船券によってタイタニック号へ乗ります。





そんなジャックが、上流階級の女性ローズ(ケイト・ブレンスレット)が自殺しようとしていた所を助けた事から、ローズの結婚相手で意地悪なキャル(ビリー・ゼイン)に晩餐会に招かれる事になります。





勿論、裕福でないジャックはそんな場所に着ていく服は持ち合わせていません。





きっと、キャルは見窄らしい服で来るジャックを笑い物にしたかったのでしょう。





そんな、ジャックを心優しいモリー(キャシー・ベイツ)が手を差し伸べます。





モリーは、自分の息子と背丈が同じであったジャックに燕尾服を貸すことにします。





その当時のディナーなどの場は、燕尾服に「ホワイトタイ」を着用した「正礼装」が当たり前でした。




「正礼装」で食事をした後、男性陣のみ葉巻とブランデーを楽しむ別室へ向かうシーンがあります。




これは英国紳士の嗜みで、ブランデーはナイトキャップ=寝酒にして、スコッチを飲むことが多かったそうです。葉巻はハバナ産の一等品を吸っていたそうです。





この、別室で着る服がタキシードの原型である、スモーキングジャケットなのです!





タキシードはどうやってできたのか...





タキシードの名前の由来はアメリカにあると言われています。





1885年にタバコ王と呼ばれるピエール・ロリラードの別荘地の名前から取られていて、それが、タキシードパークと言います。





きっかけは、タキシードパーク内で行われたパーティーで、皆が燕尾服を着用する中、ピエール、ロリラードの息子であるグリスウォルド・ロリラードが燕尾服に着替えるのを忘れ、真っ赤なスモーキングジャケットを着たことが始まりと言われている(タキシード事件)。





実は、グリスウォルド・ロリラードがその年の夏に訪れたヨーロッパで見た、流行スタイルを取り入れて意図的にした事を、周りのアメリカ人が「着替え忘れた」と勘違いした説もあるそうです。





着替え忘れるだけで「事件」になるんですね...





スモーキングジャケットは、燕尾服よりも裾が短くなっているのが特徴で、そのスタイルは1890年代になると、蝶ネクタイや小物を合わせた形で若者を中心に流行り始めます。





時代とともに、スモーキングジャケットは室内着から準礼装へと変化し、現在のタキシードという形になっています。





日本やアメリカでは「タキシード」と呼びますが、フランスでは今現在も元々の「スモーキングジャケット」の名称で親しまれています。





英国では、タキシードの事を「ディナージャケット」と呼ばれています。





1900年代には、黒のジャケット、燕尾服用のズボン、ウィングカラーのシャツ、白ベスト、白蝶ネクタイというスタイルが礼服として米国市民権を獲得する。





1910年代には、当時のカジュアルシャツであったヒダ胸シャツと組み合わせた着こなしが大流行する。





1920年代には、夜の正礼装である燕尾服に次ぐ礼服として世界中に認知されていきます。




・この頃から、黒の蝶ネクタイ、黒のカマーベスト、カマーバンドを用いられるようになり、

ブラック・タイ(ドレスコード)と呼ばれるようになります。




・それまでショールカラーしかなかったジャケットに、燕尾服に似せたピークドラペルのジャケットや、ダブルのジャケットも登場してきます。





1930年代では英国において、晩餐の席における服装としてこの服装が一般化します。

また、この頃より白タキシードや色柄もののカマーバンド、蝶ネクタイなどが販売され、用いられるようになります。

1920年代に登場したダブルのジャケットが大流行します。






1950年代には、ピーコック革命の波に乗り、色柄物のタキシードやクロス、タイ、フリル、レース、色柄物のシャツなどが出てきます。


・ピーコックの革命後、タキシードは黒一色のものに戻ります。





1966年代に入ると、イブ・サン=ローランが女性のために、アレンジしたタキシードを発表します。今までは、男性だけのものと思われていたタキシードが女性も着れるものを作ります。





1986年に開催した第40回アカデミー賞までは、アカデミー賞で司会やプレゼンターを務める出席者は燕尾服を着用していました。

ですが、翌年の1987年に開催された第41回アカデミー賞からは、司会もプレゼンターもタキシード中心の正装へと変化しています。





1970年前後には、上下が白いタキシードにフリルシャツの組み合わせが結婚式の花婿衣装として流行します。






これが、今の結婚式の衣装でも取り入れられています。





日本では、外国と違いドレスコードが普段から定着していない為、あくまで結婚式での服装を思い浮かべる方が多いと思います。





結婚式は華やかな場面ではあるので、白のタキシードやベージュのタキシードなど気を衒うものを好んで着る方が最近では多いと感じます。





私は、結婚式やパーティーで着るものくらいは、気を衒うものではなく、男性は黒子に徹し、従来の黒のタキシードを着用するのが、大人でかっこいいと思います。





それは、相手方の家族や友人など、様々な方達が来ます。





参列(出席させてもらう)側であれば尚更です。

招待していただいているので、相手の見え方を優先した方がジェントルマンと言えるのではないでしょうか。





フォーマルシーンの歴史や、着方はかなり複雑で、分かりづらい部分が多くあります。






タキシードの着方や、場を弁える事が必要であるフォーマルなシーンでは、謙虚である事が重要だと私は考えています。




タキシードの着方



ジャケット

生地は黒かミッドナイトブルーという濃紺生地が基本です。

形はシングルブレスまたはダブルブレステッド、ピークドラペルの場合は下襟を、ショールカラーでは襟全体を拝絹(シルク素材)で作ります。

ボタンは上着の生地と一緒の包みボタンが正式ですが、シルク素材の包みボタンも多く見られます。



トラウザーズ

ジャケットの生地と同じものが正式です。

横の縫い目にシルクの側章を一本付け、パンツはサスペンダーで吊るすのが正式の着方ですが、ベルトで締められるものも増えて来ています。



シャツ

生地はブロード織りの白色が基本となります。

胸にはプリーツ、イカ胸、フリルなどで装飾されたものを着用します。

襟型は、ウィングカラーまたは、レギュラーカラーのもの、カフスはシングルカフスが正式な着方になります。

今では、ダブルカフスでも可能です。

胸のボタンやカフリンクスは時間によって変えるのが良いでしょう。


11:00~17:00までの場合は白蝶貝のカフリンクスや白いボタン

17:00~以降は、黒いオニキスなどを使うのが正式とされています。


今では、時間に関係なく様々な装飾品が身につけられています。



エナメルのオペラパンプスまたはエナメルのストレートチップの靴が正式です。

黒の革靴の場合、黒いオイルで靴を磨きます。

そのオイルが白いドレスに付いてしまうのを防ぐ為、付かないようにエナメル靴にしています。



靴下

黒無地の絹、またはナイロン製が理想ですが、今は白いソックスなども増えて来ています。




これが、基本的なタキシードの着こなし方になります。




現在は、花婿、参列者含めて正式なタキシードの着こなしで式に参加している方を、私は見たことがありません。




ちゃんとした着こなし方を知ることはとても大事だと思います。

それを、知った上でどんなタキシードを着るのか、式場の雰囲気もあると思いますが、恥をかかない為にも、フォーマルシーンの着こなし方は知っておいた方が良いと思います。




タキシードのオーダーも受け付けておりますので、こだわりのタキシードを作りたい方は是非ご来店下さいませ。




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まずはどんなスーツにしようか探してみるところから始めてみるのも良いかもしれません。


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