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英国カントリーの真髄|William Bliss(ウィリアム・ブリス)

  • 11 分前
  • 読了時間: 3分


ウィリアム・ブリスの生地バンチ


軽やかで便利な化学繊維や軽量なウール全盛の現代において、あえて重厚なヘビーウェイトの生地に袖を通すこと。それは、服と共に時間を重ね、エイジングを慈しむという大人の贅沢に他なりません。


今回は、そんなオーダーの醍醐味を体現する英国の伝説的ミル(織物工場)、「William Bliss(ウィリアム・ブリス)」のツイードについて紐解いていきたいと思います。






1872年創業のウィリアム・ブリス。コッツウォルズの自然を纏う


イングランド中部、美しい村々が点在することで知られるコッツウォルズ地方。

その地で1872年に創業したウィリアム・ブリスは、長年にわたり英国カントリー・ツイードの歴史を支えてきた名門ミルです。


彼らの紡ぎ出す色彩は、人工的な華やかさとは一線を画します。


  • 苔むしたグリーン

  • 枯れ葉や湿った大地を思わせるブラウン

  • 深い森の奥行きを感じさせる複雑なチェック柄


それらはすべて、コッツウォルズの豊かな自然の風景からインスピレーションを得たもの。

仕立て上がったジャケットやスーツを纏うと、まるで英国の古い風景や、そこにある穏やかな空気感ごと身体に纏うような感覚に包まれます。








「育てる」という愉しみ。圧倒的なウェイトと耐久性


現代の衣服が忘れてしまいがちな「頑丈さ」こそ、ウィリアム・ブリスの最大のアイデンティティです。


打ち込みの多い目の詰まったタフなツイード。

初めて袖を通したときは少し硬さを覚えるかもしれませんが、着込むほどにウールの繊維がほぐれ、持ち主の身体の曲線に合わせてしなやかに馴染んでいきます。


アイロンワークがしっかりと効き、着る人のクセを記憶していく。

これこそがウィリアム・ブリスの醍醐味であり、育てる喜びです。



ウィリアム・ブリスに生地で仕立てたジャケットの着用画像





フォックス・ブラザーズによって現代に甦った歴史


一時は時代の波に押され、その歴史の幕を閉じかけたウィリアム・ブリスですが、英国フランネルの代名詞である「FOX BROTHERS(フォックス・ブラザーズ)」の手によって現代へと見事に復刻されました。


過去のアーカイブに眠る伝統的なクラフトマンシップをそのままに、現代のウェルドレッサーたちの心を捉えて離さない深みを持ったコレクションとして、再び私たちの手元に届くようになったのです。


伝統をただ守るのではなく、現代の解釈で蘇らせるその姿勢には、ものづくりに携わる者としても深く共感させられます。






最後に


ツイードのジャケットやカントリー仕立てのスーツは、決してただの防寒着ではありません。


良質な天然素材を選び、時間をかけて仕立て、修理を重ねながら長く愛用する。

そのプロセスそのものが、日々の暮らしに豊かなストーリーをもたらしてくれます。


今年の秋冬は、ウィリアム・ブリスの重厚なツイードで、自分だけの特別な一着を仕立ててみてはいかがでしょうか。









執筆者のプロフィール画像
脇山 晃樹 1998年、東京都出身。バンタンデザイン研究所ファッション学部を卒業後、大手紳士服メーカーのオーダー部門で7年間勤務。現在はDrapper Hopeでフィッターとして活動。


 
 
 

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