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なぜ、本切羽にするのか...

皆さんこんにちは、南青山のオーダースーツ店 Drapper Hopeブログをいつもご覧いただき、ありがとうございます。



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今回は、リール動画で上がっている本切羽について説明していきます。

※動画も是非、チェックしてみてください!

              




オーダースーツに興味がある方なら、一度は聞いた事がある言葉「本切羽」(ホンセッパ)。

別の呼び名では「ほんあき」とも言います。





ボタンを開閉できるデザインで、「切羽を切る」と言い方が、正しいです。





切羽とは刀の鍔(つば)の、柄と鞘(さや)にあたる部分につけられた楕円形の金具部分をさします。





「切羽詰まる」と言う言葉もここから生まれています。





なぜ、ジャケットの袖を開けれる仕様にしたのか、その起源などについて話していこうと思います。




袖口にはボタンがついている事は、皆さんご存知だと思います。

袖のデザインバリエーションが豊富なのは知っていますか?




ボタンの数や配置、ボタンホールの色、ボタンホールの形など様々なパターンがあります。




もともと、スーツの袖ボタンは飾りボタンとして付いています。




「本切羽」はボタンホールの穴が空いていて、袖のボタンが取り外せ、袖が捲れる仕様となります。




なぜ、捲れるようになったのか...




「本切羽」の歴史は諸説あります。

その中でも、ナポレオン軍が関係している話と、「メディック」=衛生兵が関係している話が有名ですね。




ナポレオンの話が一番有名で、聞いたことのある方も多いと思います。







ナポレオン軍がロシアに侵攻した際に兵士があまりの寒さに鼻水を袖で拭いていました。





それを見たナポレオンが鼻水を拭くのをやめさせるために、袖口にボタンを付けさせたとされます。





そしてもう一つの説、衛生兵がなぜ起源になっているのか?





「本切羽」は別名「ドクターカフ」と言われています。





戦争中に、負傷した兵士を施術する際に手元が邪魔になってしまう為、ボタンを付けて捲れるようにしたとされています。




仕事中に腕を捲ることで、手元がしっかり見える、施術する場所が見えることは、重要ですよね。




この二つの理由が「本切羽」の起源とされています。





袖口のボタンの数について...




袖口のボタンの数は、3〜4個が最もベーシックです。





5つ以上のボタンが付いているものは、デザイン性が強く、デザイナーズブランドに多く見られます。




2つボタンは「アイビールック」のブレザーやアメリカントラッドのスーツに多く見られる仕様です。





現代では既成服でも「本切羽」のものが増えてきています。





「本切羽」ボタンを付け、ボタンホール穴を作り開閉できるようにする仕様です。







その為、袖のお直しが、ほとんどの場合出来ません...




元々は、オーダーで仕立てるものに多く見られた「本切羽」仕様です。

お客様の袖の長さに合わせて仕立てる為、袖のお直しはほとんどありません。




既製品となると、袖が合う、合わないが出てきてしまいます。




最近では、既製品のスーツを「本切羽」にするために袖にボタンを付けずに、袖を合わせてから仕上げてくれるブランドも見るようになりました。





袖のボタンを開ける、開けないにも、お国柄が出て面白い話があるのですが、英国では「本切羽」にしても、わざわざ開けるような事はしません。





わざとらしいお洒落を好まないからだと、私は思っています。





それに比べて、イタリアやフランスでは袖のボタンを1~2つ外している事が多いです。





「せっかく開けられる仕様なんだから、開けた方がエレガントでしょ」という考え方の違いだと私は思っています。







どっちが合っているというわけではありません。




閉じている方が、慎ましく大人な印象になります。




開けている方が、華やかでお洒落な印象を与えます。





わたし個人の意見ですが、オーダーで仕立てるのであれば、「本切羽」にして当たり前の仕様です。






スーツであれば、1つくらい外して華やかにするのは有りだと思います。




ブレザーなどのメタルボタンをつける場合は、外さずそのままの方が大人でカッコいいと思います。




着る服や、自身のイメージに合わせて外す、外さないは決めて良いと思います。





ただ、ボタンホールやフラワーホールの色を変える事については、Drapper Hopeではお勧めしておりません。





色を変えることは、とてもカジュアルな印象になってしまいます。





色を変えて、「これ、オーダーで作ってるんだよ...」と見せびらかすのは、私は素敵なアイデアだとは思いません。




慎ましく、物言わず端正に着こなしているほうが、エレガントでカッコ良いと思います。





サイズ感がしっかりしていれば、色を変えたりしなくても目を引くものです。






また、4つボタンでも重なっているものと、並んでいるものがあります。





元々は、並んでいるものが主流で、重なっているものはなかったとされています。

ボタンはあくまで飾りであって、重なっている必要はなかったのでしょう。





なぜ、重なっているボタンができたのか...





重なる仕様を作ったのは、イタリアの職人さんが自分の技術の高さを見せるために、袖のボタンを重ねたことがきっかけです。





イタリア人らしい発想ですよね!





そういった事もあり、並んでいるのが英国式、重なっているのがイタリア式と一般的に言われています。




既製品のスーツは、お店やブランドによって重ねたり並んでいたりとバラバラです。個人的には、重ね釦が好きです!




袖ボタンの下から1つ目のボタンを外して着ると、とても粋でお洒落だと思います。





スーツを仕立てた事のある方や、興味がある方なら一度は聞いた事がある「本切羽」





身近にありながらも、起源やボタンの数によってスタイルが違うことなど、様々な歴史を経て現代のスーツにも尚取り入れられています。




自分の好きなスタイルやデザインによって袖で遊んでみると楽しいと思います!






Drapper Hopeの公式Instagramではたくさんのリール動画コーディネートの写真を投稿しています。


まずはどんなスーツにしようか探してみるところから始めてみるのも良いかもしれません。


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